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「我は死神だ。名前はアリシア。
お主は相当の魔力があり、本来の力よりも力がある。
ふっ。気に入った。契約するから魔力を寄越せ。」
「アリシア…。聞いたことないですね。」
アリシアはそう言うと、奏の腕を取った。握手のように握ると、奏は急激な脱力感に襲われる。
「呼ぶときはこれに魔力を込めながら名前を呼べ。これはいつもつけていろ。」
一通り魔力を取り終わったのか、アリシアは腕輪を奏につけると霧と共に消えていった。その腕輪は細身で漆黒の中に紅く真ん中に一線入っている。
(クラクラします…。魔力をかなり取られましたね。)
霧が晴れると、不思議そうな顔をした山下教官と生徒が目に入った。
中には奏を興味津々に見るものも居るが、奏は気にした様子もなく鈴果に近づくと抱き締めた。
「……凄いの出したね。おめでとう。」
「ありがとうございます。」
そんな奏の行動に鈴果は何事もなく言葉を発した。
そんな二人の会話に刹那が聞きたそうな感じであたふたするが二人は全然視界に入れようとしない。周りの生徒は次の授業のために教室に帰っていた。
「谷原。お前が使い魔にしたのはどんな奴だ?」
「アリシアって言ってましたよ。死神の。」
そんな生徒たちを見て帰ろうとしていたが、山下教官が声をかけてきた。そんな山下教官に奏が答えると山下教官は驚いたように目を見開いた。それは刹那も同じだったが、奏は首を傾げるだけだった。
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