宇宙へ

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「・・・・クド、おいで」 キミが僕を呼ぶ声は 心なしか、悲しそうだった 僕が駆け寄ると キミは僕の首に無機質で、大きな首輪をつけた キミをとっさに見上げると 泣きそうな顔をして、笑っていた そして、キミの頬に滴がつたう 僕は、その頬の滴をすくう 「・・・ちょっと、クド。くすぐったいよ。ハハッやめろって!あははは・・・・はは・・・」 でも、おかしいな キミの滴は、どんどん溢れてくる 「・・・・・クドッ」 キミは、ふるえた声で僕を呼び そっと抱きしめる 「クウーン・・・?」 「ごめん・・・・ごめんよ、クド・・・・ほん・・・とに・・・ごめ・・・っ」 キミの頬からどんどん溢れる滴 僕はそれをとめるため、舐める 「・・・・っクド、ごめんね・・・・あり・・・がとっ・・・愛してるよ・・・」 「クーン・・・」 キミの愛を僕は確かめた 『ライカ犬!早くしろ!』 僕は知らない人に抱き上げられ キミと離されてゆく 「待ってくれ!クド・・・・クドッ」 キミと離れるのは寂しいよ でも キミの夢を僕は背負う キミの夢だった宇宙へ 翔んでくるね 僕は、知らない部屋に閉じ込められた そうして 僕は翔んだ
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