#02「ジャンルを間違えた」

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確かに成仏する意義なんて、生きる意味を考えるくらい面倒で意味のないことだけど 「それだって、いつか誰かに消されるかもしれないわよ?」 それが現実というものだ 「それは花子さんだって同じですよ」 「それはそうだけど」 うーん、と二人揃って頭を抱えた いずれ答えを出さなきゃいけないことなのは理解出来ている だからといって行動できるかと言われれば否定的な答えしか出せない 中学生が進学する高校に迷うように、高校生が進路や受験勉強に頭を抱えるように、大学生や専門学校生が就職に苦悩するように 先の事だと思うと面倒になってしまって、考える事をやめてしまうのかもしれない その先に待っているのがニートだろうが自宅警備員だろうが引きこもりだろうが関係なく 考える事を面倒がってしまうのかもしれない いや、私個人に限っては既に引きこもっているわけだけど どうしようかなぁ… 「よし!」 と、急にメリーが叫んだ 「簡潔に結論を言います!」 すぅ、と大きく息を吸って 「この問題は難しいので先のばしにします!」 究極の駄目幽霊誕生の瞬間である ここまでいくといっそ清々しいくらいの馬鹿だなぁ、なんて呆れながら まぁ、それはそれでメリーらしいなーとも思ってしまった 登場人物は誰もが怯え畏れるような悪霊なのに、ジャンルは完全にギャグ、みたいな 本来の在り方とずれてる方が、私達にはあっているのかもしれない
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