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「やっふー!」
両手を盛大に広げて雄叫びをあげる悪霊・メリー
「五月蝿いわ」
それをけだるい声で一蹴する七不思議・花子
二人は夢見ケ崎高校の女子トイレ、手前から三番目の個室にいた
といっても、中はネットカフェの一室のようにわりかし快適な空間が整えられている
「花子さんは嬉しくないんですか?今日はバレンタインデーという楽しい楽しいお祭りの日ですよ?最近は友チョコなるものも存在するそうですから、私も貰えちゃうかもしれません」
そわそわと、今にも走り出しそうな勢いで挙動不審なメリーを見て花子のテンションメーターは早くもマイナスになりつつあった
「で、友達は何人いるの?」
「零です」
「恋人とかは?」
「いないです。片想いならありましたけど」
「可能性なしね」
ガーン
絶望に満ちた表情になるメリー
(いい機会だし追い撃ちしようかしら…)
「だいたい交通事故に巻き込まれた貴方を見捨てた想い人を呪って今があるんでしょう?なら、むしろ嫌悪するイベントなんじゃない?」
「へ?違いますよ?誰の話ですかそれ」
「一般的に知られるメリーさんの怪談だけど…違うの?」
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