#03「WhiteValentine」

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言われてメリーは少し考える どうやら覚えていないらしい 「ちょっと待って下さい。全力で思い出します」 (この子を追い詰めるなんて、私には不可能だわ…) 花子は目の前で頭を抱えてぶつぶつ言っているメリーに呆れ果てた目を向ける (だいたい、自分が死んだ理由を忘れるなんて人としてどうなのよ。いや、人って分類していいのか分からないけど) 「思い出しましたっ!」 「何を?」 「死んだ理由ですよ。通り魔にぶっ刺された所を好きな人が通りかかって、私を犯そうとしたんですよ」 常人なら確実に狂ってしまうな過去を笑い話のように語るメリー 「災難どころの話じゃないわね。というか“犯そうとした”って事は続きがあるの?」 そんなメリーの異常なカミングアウトに大して驚きもせず切り返す花子 何も知らない人が聞いたら気持ちが悪くような不自然さも、彼女達にとっては日常と変わらない 「ええ。その後通り魔が戻ってきてとどめをさされました」 「その場にいた想い人は?」 「通り魔と仲良くなって私の死体を埋めるの手伝ってました」
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