序章「メリーさんの電話」

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流石にゾッとした俺は、焦って返信した 「家の場所は教えていない」 それだけ聞くのが精一杯だった そして着信 内容は 『大丈夫だ、問題無い。君が返事をくれるならね』 即座に、どういう意味だ?と返信した また着信 『そのままの意味だよ。君の家の近くにコンビニあるよね?マルキューっていうやつ。今そこにいるよ』 愕然とした 確かにサークルQ…通称マルキューなるコンビニは家から5分の所に存在する しかし偶然だろう あるわけがない あってたまるか いかな幽霊だろうがそんな遠距離から自宅を特定、襲撃するような能力があるわけもない あるとすれば… 着信 『返信くれないと徒歩なんだけど…いじめ?よくないよ、そういうの』 一体何の事を言っているのだろうか 返信がないと徒歩? メールの度にワープでもしてるってのか? 「あ……」 そこで気づいた いかに鈍感な俺でも、気づかないわけにはいかなかった いるのだ。遠距離から、とある媒体を使ってピンポイントで標的を襲撃できる幽霊が 今俺が接触しようとしていた相手は 「メリーさんの電話…」 電話を通じて標的に段々と近づき、最後には後ろに立っていて…と言う含みのある怪談だったはずだ。
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