家族

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中学生になると、容赦がなくなる様になった。 帰りが門限を過ぎてしまった時‥ 真っ暗な寝室に閉じ込められ外側から襖の扉に沢山物を投げつけられた。 暗闇の中聞こえるのは物が扉に激しくぶつかる音ばかり。 音が止み扉を開けたらやはり扉はボロボロで穴も開いている‥ 親は口が開くなり厚い本叩き付ける様にして投げて来た。 私の足には鈍痛が広がり思わず腰を落とした。勿論それは真っ青に腫れ上がった。 心配も謝罪も無く、ただ怒り狂う親。 ‥怖かった 酷い時は、 ハサミを投げつけて来たり アイスピックで太ももを刺されかけたり 包丁を向けられた事だってある。 『あんたなんて産まなければ良かった‥』 『死んじゃえ』 そんな言葉を浴びた時は頭が真っ白になったけど、私は親に認めて欲しかった。 だから、生きた。 私にも 一度だけ親が抱き締めてくれた事がある。 あれは私が小学生の時の母の日‥ 私は造花のカーネーションの花束と手紙を渡した。 手紙には"いつも悪い子でごめんなさい"読んだ母は酷く私を叱った‥「分かってるなら直せ」と 私は泣いた‥ 喜んで欲しくてした事を怒られて辛かったからだ。 呼吸も上手く出来なくなり何で泣いてるかも分からなくなるくらい泣いた。 そしたら、 親は私を抱き締めてくれた、背中を擦ってくれた。 それは、近所に泣き声が響くのが困ると言う世間体の為かも知れない、 でも私は嬉しかった。 悲しくて出てた涙は嬉し泣きに変わっていた‥ だから 私は親を憎まないと決めたんだ。例え嫌っても絶対に憎まない‥ 誠意を持って言う事を聞いて居ればきっと分かってくれる。 褒めてくれる。 ‥愛してくれる。 だって、母がいなければ身内は誰一人私の面倒なんて見てくれない‥ 私には 母しか居なかった。 ‥
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