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「ちょっと修ちゃん、どこ行くの!
学校は向こうだよ?!」
「今日は面倒だからパス。
明日は行くから、心配すんなよ。」
修司は振り向かずに、歩きながら手だけを振り、答えた。
遼平はそんな修司に駆け寄ると美咲の方を向き、顔の前で手を合わせながら言う。
「美咲ちゃん、ゴメンね!
てな訳で今日フケるよ、じゃね!」
遼平はそう言って手を振り、前を向き歩きだした。
(...もう、ホント勝手なんだから
....でも逃がさないわよ!!)
ガシッ!!
「!!.....ちょっ、美咲!
何すんだ、お前!!」
美咲は二人の間に割って入り、修司の左腕、遼平の右腕をガッシリと自分の腕に絡めながら言った。
「二人がサボるんなら、あたしも付いてく!
言っておきますけど、二人が学校に行かないなら、あたしも学校には絶対行かないから!」
修司は美咲の澄み切った瞳の奥に宿す、決意の炎のようなものを感じた。
修司は美咲のこの瞳を幼い頃より見てきたので、もはや誰に何を言われても彼女の意志が揺るがないことを悟った。
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