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沖田はあきらかに教える気はないと態度で示している。
「丞さん。歩さんや月姫さんが守さんを悪くないと言うのが私には理解できません。母親ならば、それなりの責任がある。守さんは月姫さんに嫌わても、恨まれても仕方ない立場にいると私は思います。」
沖田はしっかりした口調で言う。
「何が言いたいんや?」
丞は沖田に聞いた。
沖田の目を真っ直ぐに見つめ、何を考えているのか探ろうとしている。
「別に、何も。ただ、私は月姫さんは悪くないと考える。だから、月姫さんがあなたに会いたくないと言うならば、力を貸します。あなたに月姫と会わせません。」
沖田ははっきりと言った。
それに丞は顔を歪ませた。
沖田に敵につかれたら、面倒だ。
いろんな手を使って、月姫に会うのを阻止してくるだろう。
「……月は何でわいに会いたないんや?」
沖田に聞いても無駄だろうことを丞は沖田に問う。
「さぁ?守さんのご兄弟だからじゃないですか?」
沖田は言う。やはり、わからないようだ。
丞はハァとため息を吐いた。
沖田、原田と月姫の居場所を知っている。
ならば、他にも知っているものがいるんじゃないか。
丞は考える。
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