1976人が本棚に入れています
本棚に追加
分からないが、しかし。
沖田が何かをやらかそうとしているだろうことはよく分かる。
だから。
丞は警戒していた。
「月姫さんを探していると、お二人に言えば良いじゃないですか?」
ニッコリと笑い、沖田は言う。
丞は目を少し見開き、そしてため息を吐いた。
沖田は丞が言いづらいと言うことをしっかりと分かっていた。
だから、嫌がらせ込みで歩に言ったのだ。
「月ちゃんを?何でや、すぅちゃん?」
少し不機嫌な感じの歩。
丞の予想通りだ。
「土方はんに頼まれたんや。」
丞は白状したように、歩に話す。
歩は眉間にしわをつくに丞の話を聞いていた。
「それで月ちゃんは見つかったん?」
守が丞に聞き、丞は頭を左右にふった。
「土方さんのとこに行くよう私から伝えますよって、さっきから言ってるじゃないですか。あなたが探す必要はありませんよ。」
沖田は丞に言った。
これもわざと。
今、歩がいる。
月姫に会う必要がないと知れば、歩は探す必要がないと探すのを止めるはず。
だから今言ったのだ。
「沖田はんがこう言っとるのに探そうとしとったん?ここは甘えれば良えやんか。」
案の定、歩は丞に予想通りのことを言った。
丞はこれが沖田の狙いかとため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!