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月姫に視線が集まった。
食事をとらなくなった理由。
それは守に関係がある。
それはここにいる全ての者が思っていた。
守が、守の姉である歩が作っているから食べたくない。
だから、月姫は食べないのではないかと守は密かに心を沈ませていた。
「………のどを食べ物が通らないから食べないだけです。
七日ほどなら、食べなくても大丈夫でしょうから、あと4日ほどで食べられるようにします。
迷惑はかけないので、ご心配なく。」
月姫は言う。
それに土方はまたため息をついた。
「……何か食べろ。」
土方は有無を言わさない迫力で月姫に言った。
それに、月姫は無理ですとはっきり言った。
「食べないのではなく、食べられないんです。」
「だが、何か食べられるもんくらいあんだろ。少しで良いから何か食っとけ。」
顔をしかめ言う月姫に土方は言う。
両者引かない様子。
この場、あきらかに月姫が悪い立場にいるような気がするが。
月姫はやはり、おとなしく食べる気はないようだ。
「……月ちゃん、うちやお姉ちゃんが作ったもんやなかったら食べる?」
守は少し悲しそうに月姫に聞いた。
それに月姫はキョトンとしたあと、頭を左右にふった。
「食べませんよ。私はあなたがたが作った物が嫌なのではなく、何かをだべるのが嫌なんです。」
月姫ははっきりと言う。
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