0人が本棚に入れています
本棚に追加
あいつが居なくなればいい。
私はいつも電車のドアを背もたれに、視界に入るサラリーマンを見て、思うんだ。
いつか誰かが、この平穏な電車(セカイ)の中に入って来て、ぐちゃぐちゃにしてくれればいいのにって思う、密かに。
規則正しく流れているこの機械音が、電気で走るこの車が、空気の中、大破してしまわないかと思う、心の中。
私は制服に身を包んで、世間から遮断された、あの囲いの中で、見たくもない色んなものを見てる。
人の理不尽な苛立ち、大人の執拗なまでの汚さ。
なんの手応えもない学校(セカイ)の中でひたすら、未来が明るいということだけをたたき込まれるためだけに、椅子に座っている。
誰が言ったのか、未来が明るいだなんて。
自由もないあんな世界が明るいなんて誰が言ったのか。
最初のコメントを投稿しよう!