♯1

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「ダフネ。」 後方から呼び止められた私は、体をひねらせそちらを見た。 「ダフネ、よく聞いておくれ。」 深刻そうな顔でお父様は続けた。 「今までお前を巻き込ませまいと黙っていたが…ここまでくると、話すしかあるまい……。」 なんのかとかわからない私は、首をかしげ 『どうかしたの、お父様?』 と訊いた。 お父様は凄く苦しそうに顔を歪め、汗が沢山吹き出している。 嫌な予感がして、背筋をゾクッとした。 「一ヶ月前……、我ら黒猫族とその敵対している白猫族は戦争を開戦させたのだ。」 「…!!」 「戦況は我らが好戦。向こうが倒れるのも時間の問題だったのだ。しかし…ゴホッゴホッ…ガハッ!!」 突然、お父様は口をおさえその場にうずくまり、激しく吐血した。 『お父様!!』 お父様のもとに駆け寄ると、腹部から大量に出血していた。
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