3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ダフネ。」
後方から呼び止められた私は、体をひねらせそちらを見た。
「ダフネ、よく聞いておくれ。」
深刻そうな顔でお父様は続けた。
「今までお前を巻き込ませまいと黙っていたが…ここまでくると、話すしかあるまい……。」
なんのかとかわからない私は、首をかしげ
『どうかしたの、お父様?』
と訊いた。
お父様は凄く苦しそうに顔を歪め、汗が沢山吹き出している。
嫌な予感がして、背筋をゾクッとした。
「一ヶ月前……、我ら黒猫族とその敵対している白猫族は戦争を開戦させたのだ。」
「…!!」
「戦況は我らが好戦。向こうが倒れるのも時間の問題だったのだ。しかし…ゴホッゴホッ…ガハッ!!」
突然、お父様は口をおさえその場にうずくまり、激しく吐血した。
『お父様!!』
お父様のもとに駆け寄ると、腹部から大量に出血していた。
最初のコメントを投稿しよう!