♯2

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精神と肉体が完全に分離していたことを確信していた私の幻想は、簡単に打ち砕かれた。 『……ここは?』 重たい瞼を開けると見知らぬ天井が映った。 薬品臭い部屋、どうやら病院かなにかの医療施設のようだ。 「目が覚めたみたいだね。」 横から声が聞こえ、視線をやるとそこには 『白…猫……!!』 「おはよう。」 微笑む白猫を、私は出来る限り殺気をこめて睨んだ。 「おぅおぅ怖いねぇ。お前は、俺が怖くないのか?」 『怖いだなんて。…だって貴方は……』 そう、こいつは私目の前での実の父親を殺した張本人なのだ。 『私は貴方のことを憎んでるわ。』 そう、と興味が無さそうに白猫は呟いた。 しばらく沈黙が続き、白猫はどこかに行ってしまった。
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