Opening

15/20
前へ
/617ページ
次へ
ルールを簡単におさらいするとこう。 三人でローテーションをしながらゲームをやる。 一人は外に出られる。 その代わり、他の二人は人質として部屋に残る。 三人全員解放されるにはゲームをクリアするしかない。 ルールを犯せば、死。 「全く……面倒臭そうだな」 ゲーム機を眺めそう呟く少年に、小柄な少年は目をパチクリとさせ言う。 「で、でも、外に出られるって……」 「ああ。限られた時間とはいえ、外を自由に出歩いてもいいなんて意外だな」 「じ、自由ね……」 そう口にしたのは、大柄な少年。 「ほ、本当の自由は、こ、このゲームをクリアして、か、解放された時なんだな……」 「ま……そうだな」 「ま、まあ、裏切るなら話は別だがな……」 「なんか言ったか?」 「い、いや」 『部屋のドアは開けておく。それでは5分後に』 「えっ」 今なら逃げようと思えば逃げられるかもしれない。 だが、今の説明を聞かされた後では誰もその場を動こうとはしなかった。 彼等は素直に役割を決める事にした。
/617ページ

最初のコメントを投稿しよう!

179人が本棚に入れています
本棚に追加