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ルールを簡単におさらいするとこう。
三人でローテーションをしながらゲームをやる。
一人は外に出られる。
その代わり、他の二人は人質として部屋に残る。
三人全員解放されるにはゲームをクリアするしかない。
ルールを犯せば、死。
「全く……面倒臭そうだな」
ゲーム機を眺めそう呟く少年に、小柄な少年は目をパチクリとさせ言う。
「で、でも、外に出られるって……」
「ああ。限られた時間とはいえ、外を自由に出歩いてもいいなんて意外だな」
「じ、自由ね……」
そう口にしたのは、大柄な少年。
「ほ、本当の自由は、こ、このゲームをクリアして、か、解放された時なんだな……」
「ま……そうだな」
「ま、まあ、裏切るなら話は別だがな……」
「なんか言ったか?」
「い、いや」
『部屋のドアは開けておく。それでは5分後に』
「えっ」
今なら逃げようと思えば逃げられるかもしれない。
だが、今の説明を聞かされた後では誰もその場を動こうとはしなかった。
彼等は素直に役割を決める事にした。
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