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険悪なムードに、修はたまらず口を挟む。
「そこまで言うなら、お前は卑怯者じゃないんだな?」
「あ、ああ」
「口では何とでも言えるよ……」
その言葉に、大柄な少年は小柄な少年を蛇の様に睨み言う。
「だ、だったら、お、おれは、フリーマンになっても、へ、部屋から出ない……!」
「なんだって?」
「わ、分からないよ……。僕らを油断させてといて逃げる気かも……」
しばしの沈黙の後、修は大柄な少年に尋ねた。
「……お前、名前は?」
「く、日下部彰(くさかべあきら)」
「じゃ、彰を信じるよ。俺の事知ってる奴に悪い奴はいねぇ……と思う」
それに対し、彰は「ふん」と鼻を鳴らした。
「そ、そんな……」
「君もどうせ5時間経てば出れるんだ。悪いがそれまで待っててくれねえか、えっと--」
「西条寺亮(さいじょうじりょう)です。分かりました……待ちます」
「亮、ありがとな」
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