Opening

18/20
前へ
/617ページ
次へ
険悪なムードに、修はたまらず口を挟む。 「そこまで言うなら、お前は卑怯者じゃないんだな?」 「あ、ああ」 「口では何とでも言えるよ……」 その言葉に、大柄な少年は小柄な少年を蛇の様に睨み言う。 「だ、だったら、お、おれは、フリーマンになっても、へ、部屋から出ない……!」 「なんだって?」 「わ、分からないよ……。僕らを油断させてといて逃げる気かも……」 しばしの沈黙の後、修は大柄な少年に尋ねた。 「……お前、名前は?」 「く、日下部彰(くさかべあきら)」 「じゃ、彰を信じるよ。俺の事知ってる奴に悪い奴はいねぇ……と思う」 それに対し、彰は「ふん」と鼻を鳴らした。 「そ、そんな……」 「君もどうせ5時間経てば出れるんだ。悪いがそれまで待っててくれねえか、えっと--」 「西条寺亮(さいじょうじりょう)です。分かりました……待ちます」 「亮、ありがとな」
/617ページ

最初のコメントを投稿しよう!

179人が本棚に入れています
本棚に追加