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「舐めやがって……。この俺に、こんなパクリゲームをやらせるとはよ……。俺を誰だと思ってやがんだ……」
小早川修。
趣味はゲーム。
いや、もはやそれは趣味の範囲を超越していた。
修は幼き頃から毎日の様に家で、そしてゲームセンターでゲームをやり続けて育った。
その結果、とある格闘ゲームの大会で優勝する。
その後もちょくちょく良い成績を重ね、その世界では割と名の知れた人物になった。
実際、修の顔と名を、ゲーム雑誌で見た彰も知っていた。
しかし修は、そんな自分に満足などしていなかった。
ゲームが上手いからと言って、いい大学へ行ける訳では無い。就職に有利になる訳でも無い。
じゃあ何の為に今までやり続けたのか。
修は考える。
そして答えを出す。
好きだからだ。
ゲームだけが自分の生き甲斐。ゲームをしている時だけが自分が自分でいられる気がする。
と、修は勝手にそう解釈した。
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