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一人は少年に背を向けてブルブル震えながら何やらブツブツ呟いているスウェット姿の大柄の少年。
もう一人は、床に倒れ込んだままの小柄の少年。いいところらしい学校のブレザーを着ている。寝息を立てているので死んではいない様だ。
少年は思い切って、起きている大柄な少年に話し掛けてみた。
「あの」
すると一瞬体をビクッとさせ、恐る恐る半身だけ少年の方を振り向いた。
「あ、驚かせて悪い。一応訊くが、その、ここって君の家じゃあ……無いよな?」
本心ではそんな訳が無いだろうとは思っていたが、少年は敢えてそう訊いた。
すると大柄な少年は『訊くまでもないだろ』という表情で彼を睨み、すぐに顔を背けた。
少年は構わず質問を続けた。
「君もその、気がついたらここに居たって感じか?」
「…………」
大柄の少年は無言で頷いた。
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