Opening

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「なんで……なんでさ!? 明日から夏休みなのにっ! 家族で旅行に行く計画も立てていたんだよっ! 宿題だって……やらなきゃ……」 「こんな時に宿題の心配かよ……。でもま、夏休み始まって早々に拉致られたのは、さすがにショックだよな」 彼等学生は、明日から夏休みを迎える筈だった。 終業式を終え、ゲームセンターに立ち寄り、その帰り道に少年は拉致されたのだ。 こんな事になるなら真っ直ぐ家に帰っていれば良かった。と、小柄な少年の動揺する様を見て、少年は今更後悔しだした。 「そ、そうだ、助けを呼ぼう……あれ? 携帯……」 「携帯は、没収されたみたいだな」 「そ、そんな……」 小柄な少年は彼と同様にドアに駆け寄ると、ドアノブを回そうとした。 が、当然ドアは開かない。 「外から鍵、かかってる様だぜ」 「うぅ! 出して! 出してよっ!」 必死にドアを叩き、泣き叫ぶ小柄な少年。 (まあ、あれが正しい反応だよな……) 半ば諦めていた少年は、ただ冷静に小柄な少年の行動を眺めていた。 完全に諦めている空気を出している大柄な少年は、見て見ぬフリを続けていた。
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