そこから、始めてみる。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  春休み前に別れた年上の彼女──翠川愛美(ミドリカワ マナミ)に、特別未練があるわけじゃなかった。  中学生のとき、高等学校見学で偶然見かけた愛美さんの印象があまりに鮮烈で、それだけで受験校を決めてしまった。  そんな彼女は、そう美人ってわけじゃなかったけど。  それでも、心臓がビクンと反応してしまったくらい、何というか……女、だった。  そして、肝心なところで醒め切っているところが、俺とよく似ていた。  手もあまり繋がないような、傍から見たら友達にしか見えないような付き合いだっただろうけど、俺はそれなりに彼女のことを好きで、必要としていた。  でも、愛美さんから別れようって言われた時、「ああ、やっぱりな」って思った自分がいて、自分の人生もこんなもんかな、とか思った。  愛美さんと別れたことを知るや否や、身近な女子が急にまとわりついてくるようになった。  正確には、高2になってから。 .
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