そこから、始めてみる。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  桜の木の葉っぱが陽の光を反射しながら瑞々しい輝きを放って、俺は目を細めながらロードレーサーを走らせる。  もう夕方近くになるというのにまだ明るい陽射しが、初夏の訪れを予告していた。  つい先日教室の階数がひとつ上がったところなのに、もう中間テストのことを考えなければいけない時期だと気付いて、何だか急に憂鬱になった。 「……かったるい、な……」  ほとんど口の中だけでそうぼやいて、涼しい風が吹き抜けたところで、ロードレーサーから降りる。  見る度高くなっていく空は、春の気配などもう残してはいない。  たかが高校生がここで物思いに耽ったところで、季節が留まるわけもないんだけど。  ロードレーサーは、押して進むのにはあまり向いていない。けれど何だか少しだけ歩きたい気分で、俺はハンドルを持って進んだ。  いつもは早く駆け抜けてしまうから気付かなかったけど、この通りはいい雰囲気のカフェがあったりしたんだな、なんて思いながら歩く。  高校生の自分には少し敷居が高いようなお店だけど。 .
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