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いや、本当は全部分かってはいた。
不景気な世の中。
プライドの高い父親だから、
誰にも何も言えなかったんだよな。
会社を立て直すには、葛城ホールディングと提携しなければいけなかった。
話しを持ち掛けたのは、葛城さんからである。
藁をも掴む思いで、父親は話を進めた。
葛城財閥のお嬢様であり、一人娘との見合い。
名前は、葛城冴子。
(カツラギサエコ)
俺達の間に、愛などなく恋愛感情はなし。
元々、高校の時の同級生であり顔見知り程度ではあった。
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