本州

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『敵が接近中』 再び鳴った身の危険を知らせる音に、体が反応した。 左手に持っていた包丁を右手に持ち直し身構える。 取り合えず逃げ道を確保しなければ。その意識は無意識に俺を玄関に向かわせる。 慣れない左手で玄関の扉を開くと、銃をこちらに構えた男が立っていた。 「お前の武器は包丁かよ。残念でしたあ。びびって損したぜ。なんてったってこっちは拳銃だからな。さっき会った奴は、強制参加なんだぁ。とか泣きながらプラスチックバット振り回してたしな。武器といい、出会う奴といい運がいいぜ。」
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