1夜

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「いいこと教えてやろうか」 頬を撫でながら耳元で囁くと感じるのか女は小さく身震いした。 「吸血鬼って首筋から血を吸うだけじゃない…」 「あっ…」 白い首筋を舌先で軽く舐めてやると甘ったるい声が漏れた。 「女を抱いて生気を奪うんだよ」 「フフッ都合のいい口説き文句ね。 じゃあ吸血鬼さん?今日はあたしの生気をあげるわ…」 やっぱり冗談だと思っている女は笑いながら目を閉じた。 下品なほど赤い唇を塞ぐと厭らしく舌が絡み付く。
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