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少女はお櫃の入っていた床下の穴を覗き込み、お櫃の更に奥から何かを引っ張り出してきた。何かとは言うまでもなく、会話の流れからして銃である。しかも、拳銃が可愛らしく見えるくらいの軍用アサルトライフルを。間違っても室内で振り回す大きさじゃない。 「それさ、あの、結構ヤバい銃だと思うんだけど?」 「ご存知なのですね。やはり包丁より銃の方が好みなのです」 「断定するなって。普通に凶器は嫌いだから。あ、それ絶対こっち向けんなよ。安全装置とかあるならそれも絶対外すなよ。つーか、出来るなら元の場所に安置してくれ」 「残念ながら拒否するのです。護身するためのものが必要なのです」 「護身しなきゃいけねーようなことすんなって言ったら怒るか?」 「怒らないのです」 少女は銃を両腕で抱えるようにしてふらふらと立ち上がった。軽く押したら転びそうに見える。もっとも、逆上されたら蜂の巣になるので何も手が出せないのだが。
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