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「私はもう寝るのです。なので貴方も寝て欲しいのです」 「いや、こんな所で寝ろって、無理だろ。コンクリの上で銃持った女の子に監視されながらどうやって安眠すればいいんだよ」 「コンクリートはどうしようもないのです。フローリングにするには建築費が足りなかったのです。それと、私は貴方を監視するわけではないのです。安眠する必要もないのです」 「無駄にリアルだな。俺は安眠したいんだっての。自宅で。自宅で」 「ならば諦めるしかないのです」 「ったく。何で俺はこんな所にいるんだ?」 いつもなら今頃は仕事が終わって家でダラダラしている時間だろうに。 「哲学的存在論のことを訊いているのでしたら分からないのです」 「単純明快かつこういう状況に陥った奴なら誰でも考える代表的な疑問の例その一だ」 「その答えなら知っているのです。私が連れてきたからなのです」 「全くもってその通りだ。じゃあ目的くらい教えてくれたっていいだろ」 そう、俺がこの少女としたのは馬鹿馬鹿しい会話の応酬だけ。殺すのが好きなのアハハウフフとカミングアウトされていなければ、死にたくなけりゃ親戚のオジサマに一億円見繕って貰ってよキャハハハハとも脅迫されていない。 ここまで用意周到に準備するからには、相応の理由があるはずなのだ。
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