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惚れた弱みにつけ込んで作戦、失敗。惚れられてんなら殺されないだろうという俺の予測はあっさり圏外へ。やっぱり人の弱みにつけ込む浅はかな真似をしても助からないということか。だからといって正攻法で突撃したら蜂の巣。 そこまで考えてふと思いついた。こんな小柄な少女が銃なんか撃って果たして人に当てられるのか。俺自身は当然銃器の類は手にとったことがないから分からないが、どんな銃でも反動があるし、もしかしたら初弾を外して隙が出来るかもしれない。 ちらっと横目で少女――マリアの方を見る。俺が無言になったせいか、彼女も黙って俺の隣でぼーっと虚空を見つめていた。無表情、無感情、無防備は彼女のデフォルトなのだろう。 このままラリアットで壁に叩きつけようか、そうしたら撃つ間もなく気絶するかも、なんて物騒なことを考えていたらマリアがぎゅっと袖を掴んできた。
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