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マリアが更にくっ付いてきた。少しでもそれから逃れようと後退ったら、ものの数秒も経たないうちに背中が壁にぶつかった。彼女はそれを気に止める様子もなく俺の膝の上に這い上がり、こてんと寄りかかってきた。 「もしもし?」 返事はない。ただの屍にはそう簡単になるはずがないので、寝ているだけだろう。二秒で熟睡出来るというのもある種才能だ。 そういえば、どのくらい時間が経ったのだろうか。窓は存在すらしていないし、日が出ているのか月が出ているのかさえ分からない。体内時計は完全に狂っている。 何も食べていないので、ひもじい。体内時計の故障はそれのせいでもある。だが、どこに食べ物があるか、俺は知らない。先日のお櫃の中身は既に空っぽになっているはずだった。 彼女が起きたら聞いてみようと思って、俺も寝ることにした。頭の切り替えが早い分、俺は順応性が高いと思う。 さすがに二秒では寝れなくて、時間をかけて寝た。夢は、多分見なかった。
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