Shoot the Grail！

３

「死んでしまってもオーウェンはオーウェンなのですか？」
「この状況で嫌な質問するな、お前」
「質問に答えて欲しいのです。全ての動きを止めても、オーウェンはオーウェンなのですか？」
「知るか。何で俺が死んだ後のことを俺が気にしなきゃいけねーんだよ。幽霊になって彷徨えとでも言ってるのか？」
「私と一緒にいてくれるならそれでもいいのです」
「生憎、死んだらキッパリ成仏するのが夢だ」
「私は死んだらあなたの傍にずっといるのです」
「やめてくれ気味悪い。牡丹灯籠じゃあるまいし」
「牡丹灯籠は死人と逢引する話なのです。私は逢引はしないのです。ずっと傍にいるのです」
「余計質悪いだろ。つーか、何でこんな話になってんだ？縁起でもない」
「私があなたに質問したからなのです。水も食糧もないこの状況では、どちらかが死んでもおかしくないのです」
「ここお前の家から直通なんだから、何か持って来たらいいだろ。より正確に言うなら持ってきて下さい」
「嫌なのです」
「嫌って、お前」
「飲まず食わずの密室でオーウェンと心中したら、オーウェンはどんな顔をするのですか？」