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外に出るのは何日ぶりか、何週間ぶりか。俺と上司が外に出た瞬間に、太陽が雲から顔を出した。余りの眩しさに目を閉じる。薄暗い中でずっと過ごしてきた目には強すぎる光。 「そういえば、警察が見当たりませんけど?」 常識的に考えて、最強とはいえ一般人である上司がたった一人でここに来ることは有り得ない。人類どころか宇宙もひっくるめて極悪最強上司が唯一頭が上がらないのが、社会的ルールだからだ。さすがにここまで常識外れなことはしないだろう。 「警察は既に突入済みだ。あのクソガキを連れて出て行ったから、こいつは俺の部下だって言って出てって貰って、さっきの状況に至る」 警察の皆々様、ご愁傷様です。極悪非道最強上司が言葉を発した段階で、そこらの連続強盗殺人犯とタイマン張るより怖い思いをしたのではなかろうか。何せ、新入社員歓迎の挨拶で新入社員を気絶させるくらい、本気の言動に威圧のある人だ。ちなみにその時気絶しなかったのは俺を含め三人だけだった。
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