4/4
前へ
/48ページ
次へ
「ついでに聞きますけどね、そのクソガキはどうなってました?」 死んでたのか、死んでなかったのか。あの時は俺も精神、肉体共に極限状態にあったから、誤診だったかもしれない。というか、間違っていて欲しい。言ってやりたいことが山ほどある。 「ああ、生きてたらしい。救急車も来てたし、救命急げとかも聞こえてたしな」 あれだけ冷たかったのに、よく生きていたものだ。それとも、あれも俺の感覚が狂っていただけなのだろうか。よく分からない。 ついでに、俺の意識の方もよく分からなくなっていく。今まで言うべきところがなかったので言わなかったが、今言うべき時が来た。我が極悪非道鬼畜最強上司よ、餓死寸前の人間を救出したらまずするべきことは栄養の供給だろう。救急車も来てたんなら、乗せてくれ。 越えられない壁を一枚隔てた向こうで、上司が寝るな馬鹿**とか叫んでいるのが聞こえた。馬鹿上司、寝るんじゃなくて気絶するんだ。あと、**と呼ばれるのは嫌いだっていつも言ってるだろ。やめろ。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加