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二回目のコミュニケーションは、恐らくその日の夜だった。窓がないから昼なのか夜なのかも分からない。まあ昼ではないだろう。
「食事はどうするのですか」
「食事?」
「パン派ですかご飯派ですか、と訊いたのです。深く考える必要はないのです。私は貴方に合わせるのです」
「あー、ご飯でお願いシマス」
「何故そんなに緊張するのか、私は疑問に思うのです。貴方は楽にしていればいいのです」
「包丁持った女の子と二人っきりというシチュエーションは求めてないです」
「敬語も必要ないのです。私は貴方より年下と思われるのです」
「はあ、そうでしょうね。おいくつデスカ?」
「女性に年齢を訊くのは失礼だと教わらなかったのですか?」
「すいません」
「敬語及び謝罪は必要ないのです」
「じゃあ何て言えばいいんだよ」
「普通に話せばいいのです」
言いながら少女はコンクリで出来た床の一部を取り外し始めた。引きずっているせいか、黒板を爪で引っ掻いたような音が酷く耳障りだ。頭痛がする。色んな意味で。
「貴方は私に対し気負う必要はないのです」
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