恋なのかな…

3/6
前へ
/89ページ
次へ
しばらく、そんな状態が続いていた。 僕は、活動日以外は何をするわけでもなく、ログインしても、ぼーっとしている。 そんな時だった。 「こんばんは。今暇だったりしますか?」 あーたんからのテルだった。 特別親しい訳でもなかったし、正直話したこともなかった。 驚いていると、あーたんは、行きたい場所があるのだが、一人ではどうしてもたどり着けないから、連れていってほしいのだと言う。 「友達や知り合いがいなくて、頼れる人いなくて。助けてくれそうな人を探していたら…。」 僕がいたらしい。 どうせ暇だったし、連れていってあげることにした。 僕には、大したことじゃなくても、あーたんにしたら、大冒険なんだ。 道中いろんな話をした。 他愛のない話だったけど、なんだかとても楽しくて、僕は目的地に着くのが少し寂しかった。 森林を越えて、開けたその先には、大きな滝が。 ゲームとはいえ、その絶景に、僕も見とれた。 ある攻略本に掲載されていて、どうしても行きたかったこと。 何度か、挑戦したけどたどり着けなかったこと。 「本当にありがとう。」 あーたんは何度も何度もお礼を言った。 そしてお休みの挨拶をしてログアウトしていった。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加