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「じゃぁ、行くね。」
繋がれた手はほどけ、彼女の温もりが消えていく。
何度その背中を見送ったのか。
改札を通り抜け、だんだんと小さくなる背中。
必ず、階段の手前で彼女は振り向く。
僕の姿を確認すると小さく手を振る。
そんな姿が愛しい。
大丈夫だよ。君が見えなくなるまで、僕はここで見送るよ。
僕も、手を振り返す。
彼女は安心したのか、階段を登っていく。
どれだけ、その手を離さないでいたかったか。
君を抱きしめたかったか。
勇気のない僕。
体裁を気にする僕。
こんな僕を好きになってくれてありがとう。
大好きです。
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