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僕の友達は、会場に入るやいなや、目的のブースへ走っていった。
僕達がやってるオンラインゲームのブースが目的だったんじゃないのか!
あっというまに人混みに消えた友達はほっとくことにした。
まぁ、おかげで、こうしてあーたんとゆっくり会えたんだけど。
あーたんの同僚はというと。
「あー、ちゃおなら…。」
ちゃお=あーたんの同僚。
なんでも、景品のピンバッチが同じものだったらしく、どうしても欲しい絵柄をゲットすべく、ゲームさながらに、トレードの旅にでたそうだ。
「あのこ人見知りだし、自分からあんな風に積極的に、ましてやトレードだなんてすごい勇気。感心しちゃう(笑)」
あーたんは、くすくすと笑っている。
少し低い声。
でも、耳に心地よく響く。
言霊?とでも言うのだろうか。
あーたんの言葉は僕の心に直接響く。
あーたんは、いい香りがした。
香水って感じじゃなく、あーたんの香り?
シャンプーなにつかってるんだろ。
僕は目の前のあーたんのことばかり考えていた。
聞きたいことはいくらでもあった。
でも今は、この時間がとまればいいのにな。
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