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やばい。
今現在、俺はとんでもない光景に直面している。
「…全教科、-100点…」
絶景だ。俺は底辺の中に富士山と同義の絶景を垣間見た。
そもそも、高校の中間テストに-という点数があるのか、俺はどうやってこの点数を叩きだしたのか、大体-100点という採点がありうるのか、全てが謎のまま、俺は教卓にて坐している悪魔の所に歩を進める。
「…あー。花室 大輝。…学校嘗めてる?」
「…いや…」
「…あとで、職員室に来い。いいな。」
「…はい…」
担任にほぼ無言のプレッシャーをかけられたのちに、職員室へのラブコール。死ねばいいのに。
そのあと、素直に席に戻る。
はい。お察しの通り。私、花室 大輝、16歳の彼女いない歴=年齢のチェリーボーイは、頭が一周回っていいのではないかと勘違いしそうになるほど、超絶に頭が悪い。
これまでのテストの最高点数は…三点。
自分の頭の中を表すようなボサボサの黒髪を掻いて、しみじみ思う
もう…なんか疲れた…
「おーう大輝。相変わらず不幸そうだな。」
「…鳴海…ちょっと黙れ…」
いま、俺に話しかけた茶髪の、少し顔がよくて、少し頭もよくて、少しスタイルもいい幼馴染はきっと俺の知り合いじゃないのだろう。自分で今さっき名前を呼んだが、即刻脳内から静原 鳴海という名前を消す。
「なによー…少しは反応しなさいよー!」
「今、お前と喧嘩する気無い。帰れ。土に。」
がしゃぁぁんっ!!
俺の隣の人の机が砕け散る。すまんな。よく知らんが隣の女子。
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