†1章 あー、サンタが妹くれないかなとはふと考えた†

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妹「私?サンタからのプレゼントだけど」 男「…え、なにもう一回言って」 妹「だから、私はサンタからあなたへのプレゼントなの」 男「…夢?」 妹「頬っぺたつねってみなさいよ」 男「…痛い」 妹「そういうことです」 男「…とりあえずもう一回寝てみようか」 妹「寝るな」 ゲシッ 男「痛い」 兄「はあ、おまえなぁお兄ちゃんはそれどころではないのだよ。外を見てみなさい」 妹「ん?…暗いけど」 兄「他には?」 妹「雪が降ってるよお兄ちゃん!」 兄「そうだな。午前零時を回りしんしんと雪が降り続いている今宵。 俺は明日外出するのが億劫で堪らない。そんなお兄ちゃんにおまえはサンタと言ったか?はあ、馬鹿げている」 妹「むぅ」 兄「それによ~くその小さな頭で確認してみなさい。クリスマスと言うのは何月何日の行事だったかわかるね?」 妹「12月24日! じゃなくて……25日!」 兄「そうです君は偉いなあ。お兄ちゃんは感心のあまり涙がさめだめとながるるよ全く」 妹「むぅ……つまり何が言いたいのよ馬鹿兄!」 兄「つまりだ。今日は12月26日。クリスマスはな…………終わったんだよっ!!だから帰れ帰れ! サンタさんもお帰りだ!帰って部屋でさっさと寝ろ馬鹿妹っ!」 バシッ 妹「起きた?」 男「起きた」ヒリヒリ 妹「状況は理解出来た?」 男「出来た」 男「…いやちょっと待って出来てない!」 妹「そこはそのまま出来たで良いじゃない」 男「いやいや、危うく流すところだった」 妹「もう、物分かり悪いな」 男「整理していい?」 妹「良いよ」 男「俺さ、妹が欲しかったのよ」 妹「うん」 男「それでさ、昨日の夜に「あ、明日ってクリスマスじゃん」とか思ってさ、「あー、サンタが妹でもくれないかな」とかふと考えたりしたよ?」 妹「ふむふむ」 男「で、朝起きたら枕元に君がいたわけだけどさ」 妹「ようするに?」 男「サンタっているんだな」 妹「あ、そこなんだ」 男「細かいこと考えるのはやめとくわ」 妹「うん、その方が良いよ」 男「結論さ、俺に妹が出来たってことで良いの?」 妹「うん、制限時間付きだけど」 男「制限時間?」 妹「ゲームとか漫画だったら、まあサンタのポケットマネーでプレゼント出来るんだけどさ」 男「あ、サンタ自腹なんだ…頑張ってるんだな…」 妹「妹ってお金じゃ買えないじゃん?」 男「だろうね」 妹「だから、まあ簡単に言うと私ってサンタの魔法で生まれたみたいなもんなんだけどさ」
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