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男「俺の希望としては『お兄ちゃん』とか『にいに』とかそういうお兄ちゃん大好きーみたいな妄想がかきたてられる呼び方が良い――」
妹「『にいさん』で」
男「……。」
妹「これからよろしく、にいさん」
男「いや別に良いけどさ」
妹「私の心境に変化があったらまた変わるかも」
男「てことはいつかはお兄ちゃんと呼んでくれる日も」
妹「イライラしてきたら男って呼びます」
男「なんか始めの好感度低くない?」
妹「気のせいだよ」
男「なら良いんだけど」
男「あと何か決めておくことあるかな」
妹「私は思いつかないけど」
男「じゃあまあ、何か出て来たらおいおい決めていこう」
妹「はいな」
男「はいな?」
妹「なにか?」
男「いやなにも」
妹「にいさん、お腹すきました」
男「じゃあ下の階行こっか、きっと母さんが朝ご飯用意してるよ」
妹「二階建てなの?」
男「そうだよ、まあ二階は俺の部屋以外空いてるけど」
妹「お金持ち?」
男「知らないけど」
妹「そっか」
男「母さん、妹見てびっくりするだろうな…」
妹「あ、そこらへんは大丈夫」
男「え?」
妹「うまい具合にみんなの記憶をいじってあるはずです」
男「妹がいるってことに?」
妹「はい」
男「サンタが?」
妹「サンタが」
男「サンタすげえな、いやむしろ怖えよ」
妹「確認しに行ってみる?」
男「行ってみるか」
男「おはよー」
母「おはよう、男」
妹「おはよう」
母「おはよう、妹。二人とも起きるの早いわね」
男「…おー」
妹「サンタなめるな」
男「いや今その力に恐怖すら持ちはじめたところだよ…」
母「サンタ?」
男「いやこっちの話」
妹「たぶん二階に私の部屋も出来てるよ」
男「用意が細かいな…」
母「今日は二人でデートでもするのかしら?」
妹「はい?」
男「え…え?」
母「折角のクリスマスだし、外で遊んで来なさいな」
男「クリスマスってカップルだけの限定イベントかと…兄妹ってそういうものなの?」
妹「私に聞かれても」
男「…遊びに行くか?」
妹「別に構わないけど」
男「この町、案内してやるよ」
妹「…ありがと」
母「仲がよろしいことで」
町
妹「賑やかだね」
男「まあクリスマスだからな」
妹「クリスマスってそんなに特別なの?」
男「カップルがこれみよがしにイチャラブ出来るという意味では」
妹「本来はキリストの生誕を祝う日なのに、その意味で盛り上がってるわけじゃないんだね」
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