†1章 あー、サンタが妹くれないかなとはふと考えた†

4/6
前へ
/81ページ
次へ
男「俺の希望としては『お兄ちゃん』とか『にいに』とかそういうお兄ちゃん大好きーみたいな妄想がかきたてられる呼び方が良い――」 妹「『にいさん』で」 男「……。」 妹「これからよろしく、にいさん」 男「いや別に良いけどさ」 妹「私の心境に変化があったらまた変わるかも」 男「てことはいつかはお兄ちゃんと呼んでくれる日も」 妹「イライラしてきたら男って呼びます」 男「なんか始めの好感度低くない?」 妹「気のせいだよ」 男「なら良いんだけど」 男「あと何か決めておくことあるかな」 妹「私は思いつかないけど」 男「じゃあまあ、何か出て来たらおいおい決めていこう」 妹「はいな」 男「はいな?」 妹「なにか?」 男「いやなにも」 妹「にいさん、お腹すきました」 男「じゃあ下の階行こっか、きっと母さんが朝ご飯用意してるよ」 妹「二階建てなの?」 男「そうだよ、まあ二階は俺の部屋以外空いてるけど」 妹「お金持ち?」 男「知らないけど」 妹「そっか」 男「母さん、妹見てびっくりするだろうな…」 妹「あ、そこらへんは大丈夫」 男「え?」 妹「うまい具合にみんなの記憶をいじってあるはずです」 男「妹がいるってことに?」 妹「はい」 男「サンタが?」 妹「サンタが」 男「サンタすげえな、いやむしろ怖えよ」 妹「確認しに行ってみる?」 男「行ってみるか」 男「おはよー」 母「おはよう、男」 妹「おはよう」 母「おはよう、妹。二人とも起きるの早いわね」 男「…おー」 妹「サンタなめるな」 男「いや今その力に恐怖すら持ちはじめたところだよ…」 母「サンタ?」 男「いやこっちの話」 妹「たぶん二階に私の部屋も出来てるよ」 男「用意が細かいな…」 母「今日は二人でデートでもするのかしら?」 妹「はい?」 男「え…え?」 母「折角のクリスマスだし、外で遊んで来なさいな」 男「クリスマスってカップルだけの限定イベントかと…兄妹ってそういうものなの?」 妹「私に聞かれても」 男「…遊びに行くか?」 妹「別に構わないけど」 男「この町、案内してやるよ」 妹「…ありがと」 母「仲がよろしいことで」 町 妹「賑やかだね」 男「まあクリスマスだからな」 妹「クリスマスってそんなに特別なの?」 男「カップルがこれみよがしにイチャラブ出来るという意味では」 妹「本来はキリストの生誕を祝う日なのに、その意味で盛り上がってるわけじゃないんだね」
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加