†1章 あー、サンタが妹くれないかなとはふと考えた†

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男「まあキリスト教の国じゃないし…というかその知識はどこから来てるんだ?」 妹「サンタの力です」 男「サンタすげえ」 妹「あと、一般知識ならたぶん大丈夫」 男「まあカップル以外にとっては平日と変わらないよ」 妹「てことはにいさんにとっては平日なんですね」 男「なかなか内側をえぐるストレートを投げるじゃないか…」 男「でもまあ今日から俺にとっても特別な日かな」 妹「なんで?」 男「妹が出来たから」 妹「……。」 男「願いが叶った日だな」 妹「…そう言われたら、にいさんの妹になった意味もあるというものですね」 男「いやいや、ありがとうな」 妹「まあそれはいい話ということで良いんだけど」 男「ん?」 妹「なんで妹が欲しかったの?」 男「あ、あー…」 妹「なんで?」 男「いや、それには深いわけが」 妹「まさかとは思うけど棚の奥に隠してあったいかがわしい本たちが関係したりしないよね」 男「なぜその存在を知っている」 妹「にいさんが起きるのを待ってる間に」 男「…なんてこったい」 妹「で、どうなのかな」 男「……。」 妹「妹っていう存在にそういう幻想を抱いてたからなんていう理由じゃないよね」 男「……。」 妹「そんな理由で私が生まれたとしたら、まあ思うことがなくもないけど」 男「…なるほど、妹の俺への評価がいきなり低かったのはこういうわけか」 妹「私の兄になる人はどういう人なんだろうなぁって、ドキドキしながら部屋を見渡して」 妹「それとなく本棚を見てみたらこれですよ」 妹「せめてもう少し隠せよと」 男「返す言葉がない」 妹「親があれ見たら泣くよ?」 男「やめて、そういう責め方一番効くから…」 妹「まあ人の趣味をあれこれ言っちゃいけないと思うけど」 妹「私のことそういう目で見たら二度とにいさんだなんて呼ばないからね」 男「……。」 妹「返事は?」 男「はい…」 妹「はぁ…分かれば良いけど」 男「…信じてもらえないだろうけどさ」 妹「なに?」 男「朝起きて君を見てさ、あーこの子が俺の妹なんだって思ったら」 男「そしたらそんな…やましいというか…とりあえず!そんな気持ちすぐなくなったよ」 男「兄としてというか、なんというか…妹を大事にしたいって思ったんだ。ちゃんと君のことをさ、だから」 妹「…ふーん」 男「…いや、信じてもらえないと思うけど。第一印象が悪すぎるし」 妹「態度で示してよ」 男「え?」
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