相変わらず

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「ちょっと…七海!何なの!?また騙したね!?」 誰にも聞こえないような小声で七海を問いただした。 「何って…合コン。」 表の笑顔は絶やさずに答えた。 「別に騙したわけじゃないよ?ただちょっと話を変えただけ」 それを騙すって言うんだよ! 「それに…“あの人”を見たいしね」 「はっ!?またわざわざ連絡したの!?」 隣にいる七海は悪びれもしない。 「ふっふっふっ。…そろそろかな…」 ただ楽しそうに笑っていた。 信じられない。 何度も思うけど、やっぱり私友達選び間違ったな… 「七海ちゃんの隣の子。」 七海と友達になったのを悔やんでいるとふいに声がした。 向かいに座っていた零士君が私を見ていた。 「自己紹介して?」 ああ、なんてこった。 最悪だよ。 全員が私を見つめ、今か今かと待っていた。 渋々前を向き直し、一つ咳払いをした。 「えっと…秋山さ」 「おい。」 声のほうを振り返ると不機嫌顔のあいつ。 こんな顔、今までに何度も見てきたけど慣れることなんてない。 ヤバい。怒ってる。 どうすることもできないが、焦る。 ほんっっと、七海最悪! 一方、七海はキラキラした顔で突如現れた人物を見つめていた。 元凶はいつも七海だ。 ホント友達選び間違った… .
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