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「レン、早くっ!早くっ!!」
「分かったから押さないで…転ぶってばっ;」
レンの背中を押しながら、玄関へと急ぐ。
ドアをあけると、朝日が家の中に差し込む。
心地よい眩しい光に、思わず目を細めた。
「じゃ、ママ、行ってくるねー!」
私は、そう言ってドアを閉めた。
2人で急いで自転車置き場へと向かう。
今日は始業式。
今日から私達は高校1年生になる。
私達は一緒の高校。
レンは中学でもかなり頭がいい方だったのに、私と同じ学校を受験してた。
母さんには、『レンなら名門校に行けるのに…』って反対されてたけど…
レンは私と同じ学校へと入学を決めてたみたい。
私はつい嬉しくて、『登下校がレンの自転車に2人乗りだから楽になるー!やった!』
なんて言って喜んでたから、『自転車漕ぐのはリンちゃんの役目だよ?』
って言われてしまった…。ショック…
でも、レンは優しいから、
結局最後はいつも、レンがめんどくさい役に回ってくれる。
「ほら、早く乗って。」
自転車の運転席に座って、レンは言った。
こういう所、ほんと昔から変わってない。レンはすごく優しい。
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