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ガチャッ…
中から出て来たのは、上下スウェットで髪は茶髪。小太りの女が派手にデコレーションされた携帯を持ち気だるそうに出てきた。
ちっ…ハズれか。
ケンゾーは心の中で失礼な事を呟きながら
「すいません。こちらの相撲部屋で新弟子を取ってると聞いたのですが…」
とても小さな声で言った。
「はっ!?何言ってるの?てゆーか、誰?」
女は不機嫌そうな顔をして、携帯を打ちながら応えた。
「いや、オネーサンがヒマなら一緒にお酒でもどうかなって。オレさこの下に住んでんだけど…」
ケンゾーは笑顔を浮かべたまま続ける。
「マジウザいし。あんたもここに住んでるの?あんまりしつこいと管理人に言うよ?」
そう言うと女は香水くさい部屋の中に戻っていった。
はぁ、失敗した…。
ケンゾーは2人のいる非常階段に戻った
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