ぷろろーぐ

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途端、化け物の重みにガラガラと崖は崩れ落ちた。重力に逆らう事なく、間抜けな迄に落下する化け物は、先程まで追っていた娘の声を聞き天を仰ぐ。 「おまぬけさんね、さようなら」 娘は背に赤い翼を生やし、化け物の近くに浮いていた。 谷底から時折舞い上がる、強い突風により、紫紺のフードが外れ、長い赤髪と銀の瞳が露になっていた。 化け物は、悔しさのあまり娘を掴もうと手を伸ばすが、虚しく空を掻き谷底の闇へと消えた。
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