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リビングのテーブルに肘をつき、家計簿に目を落とす。
今月はギリギリで赤字か・・・・・・。
テーブルの上に置いてあるスーパーの安売りチラシに、ほんの少し目をやる。
《大特価!》
《30%OFF!》
などの売り文句が並んでいるが、それでも高い。
夫のこずかいは毎月目減りしていくが、一言も文句を言わない。ボーナスが出なかったのを気にしている様子。
ため息が出かかった時、隣の部屋で遊んでいた今年五歳になる息子が歩いてきた。
何をするでもなく、リビングの中を歩きまわる。
しばらくそうしていると、床に落としていたスーパーのチラシを拾い上げ、まじまじと眺めている。
その様子をこちらもまじまじと観察していると、突然、
「お母さん。0月0日っていつ来るの?」
と尋ねてきた。
「0月0日?何のこと?」
「今日は、2月の2日でしょ。0月の0日っていつ来るの?」
「・・・・・・0月なんてないわよ。どこで聞いたの0月なんて。」
息子の見ているチラシを覗き込むが、勿論そんなこと書いていない。
「ないの?」
「ないと思うなぁ。お母さんは。」
「ふぅん。」
そう言うとそのまま、チラシを私に手渡して隣の部屋へと戻っていった。
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