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そう決めてシャワーを出すと手早く浴槽を洗う。
「水なのです!水が出てるのですよ!」
俺がシャワーを使って浴槽を洗っているのを見てイルカショーでイルカを目の当たりにした子供のように歓声を上げる。
「これ飲んでもいいのですか?」
洗剤を流す白濁した汚い水を指差して少女は期待の目を俺に向けた。
「駄目だろ?いや、飲んじゃ駄目だよ!そんな洗剤の混じった水なんか飲んだら死んじゃうから!」
「でも水なのですよ?」
「水ならなんでもいいの!?お嬢ちゃんその認識不味いよ……」
「お嬢ちゃん?私の事なのですか?私はお嬢ちゃんじゃないのですよ。私は植物なのですよ!」
「いや……どっからどう見ても人間だから」
水を飲みそうになる少女をなんとか踏みとどまらせ、浴槽の洗浄を終えるとお湯を張る。
「温かい水がどんどん溜まっていくのですよ!」
流石に学習したのか今度は直ぐには飲もうとはせずに浴槽に溜まっていくお湯をキラキラした目で眺める。アホ毛も心なしか踊るように動いているように見えなくもない。
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