植物少女の育て方

育て方１

「これ、全部飲んでもいいのですか？」

「そんな期待した目で見ても駄目だよ。というか物理的にそれを全部飲むことは不可能だから」

「なら全部以外なら飲んでもいいのですね！」

「全部以外って何？そんな日本語ないから……って、だから顔を浴槽に突っ込むなあああ！」

とりあえず少女を風呂に入れる準備は整った。服を脱がそうと少女を見たが、端から服など着ていなかった事を再認識する。

今にも浴槽に顔を突っ込んで水を飲みそうな様子なので仕方なくシャワーを出す。お行儀が良いとは言えないが、浴槽に顔を突っ込んでゴクゴクするよりはマシだ。

「ほら、好きなだけ飲んでいいぞ」

「やったなのです！ありがとうなのですよ！」

少女は素早くシャワーから出る放線状のお湯の下に滑り込むと小さい口を精一杯開けて水を飲む。

「ングングンググぐぼぼぼぼ！？」

ペットボトルの時と同じで口では受け止めきれないお湯を大量に口外へ逆流させながらも少女は嬉しそうに飲み続けた。

「ちゃん体洗ってから湯船に入れよー」

その姿に少しだけ安心して扉を閉める。