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美帆はまた紅茶を一口飲んだ。
「んで、そのときにメアドを交換したと」
「はい。いつでも呼んでって」
「ふ~ん…」
「それから元カレは私の目の前に現れなくなって、晴矢くんと翔平先輩に学校の中で会うと声かけてくれるようになったんです」
美帆は晴矢と翔平と同い年だからか、その助けた行動をカッコつけくらいにしか思わなかったけれど、当時の桃子には相当素敵な先輩に見えたんだろう。
「んで、出会ってから約一年半後に付き合いだしたと。その月日は桃子ちゃんが晴矢に惚れるまで?」
「あー、どうなんですかね?高校には敵がいっぱいいたんで、女子のやっかみから私を守ってくれたのもあると思いますよ」
正直、人気者の2人の先輩に可愛がられるのは優越感もあるが、同時に女子からの冷たい視線を感じる毎日であった。
そんな日々から助け出してくれたのも晴矢だった。
桃子は晴矢と過ごした高校2年生の文化祭を思い出す。
晴矢と翔平と出会って約3ヶ月が経っていた。
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