10人が本棚に入れています
本棚に追加
「翔ちゃんと3人で遊ぶのも本当は嫌だったみたいだよ」
「え、そうなんですか?」
それは先日の話。
翔平がどうしても桃子と遊びたいというから一緒に晩ご飯を食べたのだ。
「翔ちゃんから愚痴の電話が来たんだもん。桃の隣りに立つな、余計なことは言うな、金はお前が払えって言われたって」
クスクス笑う美帆を見ながら、それでか、と桃子は納得した。
翔平は自分から誘ったはずなのに、嫌に自分を避けているようなそんな気がしていたからだ。
「本当に桃子ちゃんを自分だけのにしときたいみたい」
その言葉に桃子は照れて下を向く。
晴矢は、好きだとか愛してるなんてあまり言ってくれないし、手を繋ぐのも連絡を取るのも大抵は桃子からだ。
だからこうやって、人伝いに自分がどれだけ愛されているのか分かると嬉しい反面、困ってしまう。
「言葉数は少ないけどね、桃子ちゃんのことめちゃくちゃ好きだと思うよ」
「はい。私もそう思います」
「ははっ、言うようになったね」
最初のコメントを投稿しよう!