白い夢

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目を開けると、“いつもと同じ”優しい光景が広がっていた。 愛する妻と、可愛い息子。 暖かい我が家。 もうじき十歳の誕生日を迎える息子は、庭で元気に走り回っている。 そんな息子を、隣で見つめる妻の笑みが優しい。 そのうち息子が、私を手招きした。 「父さん、父さん!」 「どうした?」 私は歩み寄り、息子の前で屈んで視線を合わせる。 「あのね、父さん。  今年のたんじょーびは、けんがほしい!」 「剣…か。  何故だ?」 「オレ、父さんみたいに強くなりたいんだ。  強くなって、父さんと一緒に母さんをまもる!」 私は驚きを隠せず、息子を見つめた。 子供子供と思っていたのに、いつの間にこんな一人前のことを言うようになったのか。 「……そうだな」 私は微笑み、息子の髪をそっと撫でた。 「強くなれ、ロイド」 強くなって…そして、私を……
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