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呼び出しを受けた木宮が行ってみると、そこには普段通りの笑みを浮かべる優と、かなり機嫌の悪い時音が居た。
驚きのあまり足を動かせなかった少年は、父親に街に連れ出されて今に至る。
なお、学園からの道中、
「時音さんは本当に可愛らしい人だねぇ。僕が今までに見た女性の中で、五番目に可愛いと思うよ」
褒めているかどうか限りなく微妙な発言を彼がしたのは、余談。
「何度も簡単に休暇を取れるほど、"そっち"も暇ではないはずだ」
あえて<ガーディアンズ>という単語を使わず、一息に詰め寄る。
対する優は箸を持つ手を止め、相変わらずの笑顔で木宮を見つめ返している。
暫時、互いにじっと固まっていたが、
「……目的は、大きく分けて三つかな」
先に優が折れた。笑みと共にこぼれた声が、店の喧騒に紛れて消える。
「一つはお仕事。内容は聞かないでね?」
茶目っ気たっぷりなセリフとは反対に、彼の目は真剣だ。
「二つ目は君に会いに来た。こういう治安の良い国にはあまり来れないから、良い機会だと思ったんだよ」
「……」
言葉の真偽は定かではないが、木宮はあえて気にしないことにした。
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